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20.Oct.2012

「万年筆8」

(万年筆1) (万年筆2)
(万年筆3)
 (万年筆4)
万年筆5) (万年筆6)
(万年筆7)

昭和60年頃までは、日本で舶来万年筆といえば
アメリカのParkerのことでした。
銀色の金属ボディに、細かい格子模様が刻まれた
Parker75が爆発的に売れて、サラリーマンの
ステータスシンボルだったそうです。

そういえば同級生にも、父親から貰った、と持っている子がいましたね〜
とにかく世の中の高級万年筆のクリップは全て矢印でした。

「およげ!たいやきくん」を聞かされ過ぎて、いまでも大嫌いなのと同じように
あの矢印のペンクリップが私は苦手です。

そんなParkerの中でも異色な存在がコレ。



Parkette DX 1934年
長さ13cm 筆記時 15.5cm 太さ1.4cm

ParketteはParkerのディフュージョン・ブランドで
ほとんどがカナダのトロントで作られました。
普及品なので、Parker独自のバキュマティックという
ボタンを押してインクを吸い込む方式ではなく
ごく一般的なレバーフィラーを採用しています。
Parkerでは、後にも先にもレバーフィラーはこれだけです。

その中でもコレは、1934〜36年の間だけ作られた
ひし形の変わったクリップを持つ初期型で
その中でも最上機種のデラックスです。

欧米人が大好きなバーガンディ・マーブルのセルロイドボディは
12面に面取りされた上に、各面が凹面になっている凝りようで
どこが廉価版なんだ、と思う見事な作りです。
ヴィンテージ万年筆界では「パーカーはカナダ製にかぎる」と
言われているのもうなずけます。

ただ、アメリカで作られたニブ(ペン先)は、k14ですが
ツートーンのロジウムメッキもいいかげんで、ペンポイントも極小です。
しかし書き味は、地金が薄いので、Parkerより弾力があって
コッチが上(笑)

入手したときはデット・ストックの未使用品で
「当然」赤インクを入れて使っています。

でもParkerはこれ1本でいいや。

捕足: その後インクのせいでトラブルが起こりました
'14年2月1日のダイアリー


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