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＜12月の歌舞伎＞
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クリスマス生産でちょっと無理をしたら眼精疲労の頭痛
1日休んで気分転換に、久々に歌舞伎に行きました。
歳の暮れと言えば「忠臣蔵」
今回は中村吉右衛門さんの「知られざる忠臣蔵」三本立てです。
吉右衛門さんの押している「新歌舞伎」が苦手なわたし
でも今回は古典の出し物なのでホッとしました。
まず「主税と右衛門七」
討ち入り前夜、16才で討ち入りした二人の若者のしんみりしたお話。
なんで曝睡！！ でも台詞は聞こえてるんですよ
α波バンバン出て気持ちイイ〜。
次は「弥作の鎌腹」
弟から討ち入りの計略を聞き出してしまった百姓のお兄さんが
追い詰められ、秘密を守る為に鎌で腹を切るって話し。
このなんとも陰惨な話を、吉右衛門さんがおこつきをみせながら
滑稽に演じ残酷さを際立たせます、歌舞伎特有の「死の美学」です。
こういう演出で思い出すのは映画「ファーゴ」(Fargo)
二人の間抜けな小悪人が偽装誘拐を依頼されますが、簡単なはずの計画が
小さな手違いからどんどん陰惨な事件に発展してゆく凄い映画でした。
「演技を感じさせない演技」で女性シェリフを演じた
フランシス・マクドーマンドがアカデミー主演女優賞を取りましたね。
そして最後は「忠臣蔵形容画合」
河竹黙阿弥の脚本なので、「仮名手本忠臣蔵」を文楽仕立てで
そりゃまぁ華やかに見せてくれます。
次々に段落が変わるので「歌物」が苦手なわたしでも楽しめました。
でも一番のお気に入りは五段目「山崎街道猪の場」
夜の山中、金を持ったじいさんを待ち伏せして残殺。
谷に蹴落として、奪った財布に手を入れて
『五十両』と低い声でニンマリするところ。
ゾクっとします、これも歌舞伎特有の「悪の華」
そのあといきなり猪が現れてコミカルな踊りになるんですよ
ここにもさっきと同じ「死の美学」が現れます。
あ〜楽しかった4時間半
やっぱ暮れとお正月は歌舞伎でしょ。
ところで、何しろ吉右衛門さんオンステージですから出ずっぱり。
踊りはしっかりしてたんだけど、声が細くてあの鬼平の
凛とした声じゃないんですよ、ちょっと心配。
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